複数社へリノベーションの相談をされ、2,000万円、3,000万円とさまざまな提案を受けていたお客様。一社とは契約直前まで話が進んでいましたが、体調を崩されたことをきっかけに一度立ち止まり、「本当にこの内容でいいのだろうか」と改めて住まいについて考えられていました。そんな療養中にご自宅へ入った、ミツケホームの一枚のチラシ。そこから今回のリノベーションが始まりました。
施工概要
兵庫県加古川市
戸建て住宅
フルリノベーション
お客様のお悩み
和室の面影が残らない洋室にしたい冬場の寒さを少しでも改善したい音漏れを抑えたい自分だけの仕事スペースが欲しい思い入れのあるタンスは残したい
ご依頼の背景
敷地内には、平屋と2階建ての2棟があり、お母さまと息子様がそれぞれで暮らされていました。お母さまがご高齢になり、住まいの中で不自由に感じる部分が増えていたこと、そして階段のない生活動線の方が今後を考えると安心なことから、2棟を維持し続けるより、これから長く暮らす1棟へしっかり予算を使う方針をご提案しました。打ち合わせを重ねる中で、2階建ての住宅にはご家族の強い思い入れがあることも分かり、大きな金額を一度に使うことへの不安や、長期間にわたる工事の負担も考え、工事を4期に分けて段階的に進めることになりました。第1期工事では、お二人が生活する居室からリフォームを始めます。
ご提案内容
工事前は、柱や長押など木部が室内に見える昔ながらの真壁和室でした。単純に畳をフローリングへ変更するだけでなく、断熱・防音・ワークスペース・タンスの再利用まで、一つの部屋の中で実現していく提案をしました。
施工前・施工後
Before

After

Before

After

昔ながらの真壁和室だった一室は、柱などの木部が見えない洋室へ生まれ変わりました。見た目を新しくするだけでなく、寒さへの対策、音への配慮、仕事スペース、残したい家具。お客様がこの部屋でこれからどう過ごすのかを一つずつ考えながらつくった一室です。
工事内容

畳を撤去したうえで、断熱材を施工しました。必要以上に高価な断熱材を選ぶのではなく、今回の住宅と工事範囲に対して必要な性能を考えて商品を選定しています。施工後にサーモグラフィーで確認したところ、計測箇所では約4℃の温度差を確認しました。

天井裏を確認すると、既存の断熱材そのものはまだ使用できる状態でした。そのため、すべて新品へ交換することはしていません。使用できる断熱材は丁寧に敷き直し、劣化して使用できない部分だけを交換しました。

壁まで本格的に断熱改修すると費用や室内寸法への影響が大きいため、今回は床・天井を優先し、壁は断熱改修の対象から外しました。あわせて、生活音についても壁と天井へ防音性能を補助するシートを施工しています。完全に音を遮断するのではなく、日常生活での音漏れを少しでも軽減するための簡易的な防音対策として採用しました。

息子様からいただいていたもう一つのご希望が、「自分だけの空間が欲しい」というものでした。そこで、クローゼットの内部にデスクスペースを造作しました。普段は扉を閉めておけば一般的なクローゼットのように見え、仕事をするときだけ扉を開ければ、自分だけのワークスペースになります。
施工のポイント
思い入れのあるタンスは、新しい部屋にも残す
リフォームだからといって、すべてを新しくする必要はありません。長年使われてきた、思い入れのあるタンスはそのまま残しました。新しくなった洋室の中でも違和感なく使い続けられるよう、部屋全体の納まりを考えながら工事を進めています。
寒さ対策は「全部交換」ではなく、効果と予算のバランスで
築年数の経った住宅を現在の新築住宅と同じ断熱性能まで引き上げようとすると、工事範囲も費用も大きくなります。今回は家全体を完全に断熱改修するのではなく、実際の暮らしで効果を感じやすい床と天井を優先しました。
「できる工事を全部する」のではなく、「この家に必要な工事を選ぶ」
今回のリフォームで大切にした考え方です。壁の断熱改修は対象から外し、必要なところへ予算を使うことを優先しました。
担当者から

完成後はお二人にこちらの部屋へ移っていただき、約1か月間、次の工事には入りませんでした。実際に住んでみてどうなのか、これからどこまでリフォームするのか。少し生活していただきながら考えていただく期間です。今回の住まいづくりは、まずこの一室から始まりました。第2期工事へ続きます。
